番外編 やらかし図鑑

やらかし図鑑:個人事業主のよくある失敗12と防ぎ方

ひとことで言うと

失敗の多くは「期限」と「思い込み」から起きます。開業から翌年まで、時期ごとに起きやすい失敗を先に知っておけば、ほとんど避けられます。やってしまっても、早めに動けば取り返せることが多いです。

最終確認日:

ポンちゃん
開業してから翌年まで、いつ・どこでつまずきやすいかを順番に並べたよ。今の自分の時期から読んでね。

1開業するとき

期限や手続きの順番をまちがえやすい時期です。

No.01

青色申告の申請が間に合わなかった

原因
開業届の期限には余裕があるので、青色申告の申請書も後でいいと思っていた。申請の期限は「青色申告をしたい年の3月15日まで(1月16日以後に開業した場合は、開業日から2か月以内)」です。
防ぎ方
開業届と青色申告承認申請書を、いっしょに出す。
やってしまったら
その年は白色申告になります。翌年から青色にしたいなら、翌年の3月15日までに申請書を出しましょう。
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No.02

会社のルールを確かめずに副業を始めた

原因
副業OKかどうかを確認しないまま始めた。副業の所得が増えると住民税も増え、給料から天引きされる額の変化で会社が気づくこともあります。
防ぎ方
始める前に就業規則を確認し、届出がいる会社なら出しておく。住民税は、確定申告書の「住民税に関する事項」で、給与以外の所得の住民税を「自分で納付」にできる(選べるのは給与以外の所得の分だけ。扱いは市区町村で違うことがあります)。
やってしまったら
就業規則を確認して、必要なら会社に相談しましょう。住民税の納め方を選んでも、確実に知られない方法があるわけではありません。
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No.03

失業手当をもらいながら、相談せずに開業した

原因
失業手当を受け取っている途中で、先に開業届を出して事業を始めてしまった。
防ぎ方
開業届を出す前に、ハローワークで相談する。起業する人向けの再就職手当や、受給期間の特例があります。
やってしまったら
すぐにハローワークへ。事業を始めた日を正しく伝えましょう。
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No.04

国民健康保険の手続きを忘れていた

原因
会社を辞めたあと、保険の切り替えを後回しにしていた。
防ぎ方
会社を辞めたら、市区町村の窓口で手続きする(会社の健康保険の資格がなくなった日(退職日の翌日)から14日以内)。
やってしまったら
すぐに窓口で手続きしましょう。保険料は資格ができた時点(退職日の翌日など)までさかのぼって払う。その間の医療費は、特別な理由がない限り全額自己負担です。
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No.05

よく考えずにインボイス登録をした

原因
取引先に言われて登録したが、登録すると売上が少なくても消費税の申告が必要になることを知らなかった。
防ぎ方
登録する前に、取引先が本当にインボイスを必要としているか確認する。登録は任意です。
やってしまったら
負担を軽くする特例があります。「2割特例」は令和8年分まで。個人事業者は令和9年・10年分に「3割特例」を使える。免税事業者が登録すると、登録を受けた日から2年間は消費税の申告が必要になります(取りやめても同じ)。

2仕事を始めたら

毎日のお金の記録で、あとから困らないために。

No.06

家賃や電気代を、ぜんぶ経費にしてしまった

原因
家で仕事をしているので、家の出費はすべて仕事のためだと考えていた。
防ぎ方
仕事に直接必要だった部分を、取引の記録などで明らかに区分できる金額だけが経費になる。仕事に使った時間や広さなど、説明できる割合で分けて(家事按分)、その考え方をメモしておきましょう。
やってしまったら
申告前なら計算をやり直しましょう。申告後に気づいたら、税務署に相談して「修正申告」をします。
No.07

帳簿に入力したら、領収書を捨ててしまった

原因
データがあれば、紙はもういらないと思った。
防ぎ方
帳簿は7年、領収書・請求書などの書類は5年(白色申告の人も記帳と保存が必要)。月ごとに封筒やファイルにまとめておくと迷いません。
やってしまったら
カードの明細や振込の記録など、支払ったことがわかる記録を集めて、帳簿にメモを残しておきましょう。
No.08

入金が請求額より1割少なくて、あわてた

原因
報酬から税金が先に引かれる「源泉徴収」を知らなかった。支払額100万円以下の部分は10.21%、100万円を超える部分は20.42%が、税金として先に引かれることがあります。
防ぎ方
請求書に源泉徴収の額を書くか、取引先に引かれるかどうかを確認しておく。帳簿には、引かれる前の金額を売上としてつけます。原稿料・講演料のほか、イラストやコピーライティングなどの報酬が対象になることがあります。引かれた税金は、確定申告で精算します。
やってしまったら
支払調書や入金の明細で、引かれた額を確認して記録しましょう。確定申告で精算され、払いすぎていれば戻ってきます。
No.09

気づいたら扶養から外れていた

原因
家族の扶養に入ったまま事業を始め、所得が上限を超えていた。税金の扶養の上限は、年間の合計所得金額62万円以下(令和8年分)です。
防ぎ方
売上だけでなく「売上−経費」の所得を、月ごとに確認しておく。事業所得は「売上−経費」で計算します。令和7年分は58万円以下でした。健康保険の扶養は別の基準なので、家族の勤め先の健康保険に確認を。
やってしまったら
家族の勤め先(年末調整)や健康保険に、早めに伝えましょう。あとから扶養の取り消しや保険料の支払いが必要になることがあります。

3確定申告のとき

「申告しなくていい」の思い込みと、期限に注意。

No.10

副業が20万円以下だから、何もしなくていいと思った

原因
確定申告がいらない目安(給与以外の所得(副業の収入から経費を引いた額など)の合計が20万円を超えたとき)だけを覚えていた。
防ぎ方
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は必要です。住民税には所得税のような「20万円以下は申告しなくてよい」というルールがありません。確定申告をした人は、住民税の申告は別にしなくてOKです。
やってしまったら
お住まいの市区町村で住民税の申告をしましょう。開業届を出して事業をしている人は、帳簿づけも必要です。
No.11

確定申告の期限を過ぎてしまった

原因
初めての確定申告で準備に時間がかかり、3月15日に間に合わなかった。
防ぎ方
帳簿を毎月つけておき、2月に入ったら申告の準備を始める。
やってしまったら
できるだけ早く期限後申告をする。原則として無申告加算税(自主的に出せば5%)と延滞税がかかる。期限から1か月以内に自主的に申告するなど一定の条件を満たせば、無申告加算税はかかりません。青色申告の55万円・65万円控除は期限内の申告が条件なので、期限後は最大10万円になります。

4開業した翌年

1年目より2年目のほうが、お金の出入りが大きくなりがちです。

No.12

住民税と国保の請求が来て、払うお金がなかった

原因
住民税と国民健康保険料は前の年の所得で決まるので、開業した翌年にまとめて請求が来た。
防ぎ方
売上が入るたびに、一部を「税金用」によけておく。
やってしまったら
払うのが難しいときは、放っておかずに市区町村の窓口に相談しましょう。分けて払う相談ができることがあります。
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とくに覚えておきたい4つ

  • 開業届と青色申告の申請は、いっしょに出す
  • 副業が20万円以下でも、住民税の申告は必要
  • 住民税と国保は翌年に来る。売上の一部を先によけておく
  • 困ったら放っておかず、早めに税務署・市区町村・ハローワークへ
カタカタ
やってしまったときは、早く動くほど負担が小さくなることが多いよ。