お金の準備:仕事用の口座・カード・会計ソフトの選び方
生活のお金と仕事のお金を分けるのが、いちばん大事な準備です。口座・カード・会計ソフトの3点セットをそろえ、税金や保険料のためのお金もよけておきましょう。
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まずは「生活」と「仕事」のお金を分けよう
個人事業主は、青色でも白色でも帳簿をつけて保存する義務があります(帳簿は7年、領収書・請求書などの書類は5年)。生活費と仕事のお金が1つの口座やカードに混ざっていると、どれが経費かを毎回より分けることになり、帳簿づけが一気に大変になります。
そこで、次の3点セットをそろえるのがおすすめです。
- 1. 仕事用の口座売上の入金と、仕事の支払いをここに集める
- 2. 仕事用のカード仕事の買い物はこのカードだけで払う
- 3. 会計ソフト口座とカードの明細を取り込んで帳簿をつくる
仕事用の口座:まずは「名義」で選ぶ
仕事用の口座は、ふつうの個人名義の口座でもかまいません。屋号(お店や事業の名前)を名義に入れたい人は、屋号つきの口座をつくれる銀行を選びましょう。取引先が振り込むときに屋号が表示されるので、事業らしく見えます。
- 名義:屋号を入れられるか、屋号が必須か
- 振込手数料:外注費の支払いなど、振込が多い人ほど差が出る
- 会計ソフト連携:明細を自動で取り込めるか
PR屋号つき口座をつくれる主なネット銀行(順不同)
GMOあおぞらネット銀行(個人事業主口座)
- 屋号つきの名義
- できる(個人名だけでもOK)
- 口座維持手数料
- 無料
- 他行への振込
- 1回100円(税込)
- 会計ソフト連携
- freee・マネーフォワードに対応
屋号の有無を選べて、振込手数料も安め。
公式サイトで見るPayPay銀行(個人事業主口座)
- 屋号つきの名義
- 屋号+個人名(屋号が必要)
- 口座維持手数料
- 無料(2年以上使わないと管理手数料あり)
- 他行への振込
- 1回145円(税込)
- 会計ソフト連携
- freee・マネーフォワードに対応
屋号を決めている人向け。屋号なしでは開けません。
公式サイトで見る楽天銀行(個人ビジネス口座)
- 屋号つきの名義
- できる(氏名のみもOK)
- 口座維持手数料
- 無料
- 他行への振込
- 3万円未満150円・3万円以上229円(税込)
- 会計ソフト連携
- freee・マネーフォワードに対応
楽天銀行の個人口座がある人が対象。事業を始める前は申し込めません。
公式サイトで見る屋号つきの口座では、開業届の控えなど、事業をしていることがわかる書類を求められることがあります。ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)は、屋号を使った名義では口座をつくれません。
仕事用のカード:年会費と申込条件を見る
仕事の買い物を1枚のカードにまとめると、明細がそのまま経費の記録になります。いま持っている個人カードを仕事専用にしてもいいですし、個人事業主向けのカードを選ぶ方法もあります。
新しく申し込む必要がありません。私用の買い物には使わないと決めておきましょう。
仕事用だとはっきり分けられます。会計ソフトと連携しやすいカードもあります。
PR年会費無料の個人事業主向けカード(順不同)
三井住友カード ビジネスオーナーズ
- 個人事業主の申込
- できる(副業・フリーランスも)
- 年会費
- 永年無料
- 申込に決算書
- 不要
- 注意点
- 同じ名義の個人カードがあると利用枠が合算される
決算書なしで申し込めて、副業の人も対象。
公式サイトで見るfreee Mastercard
- 個人事業主の申込
- できる
- 年会費
- 無料(ゴールドは2,200円・税込、初年度無料)
- 申込に決算書
- 不要
- freee会計
- 使っていなくても申し込める
会計ソフトを決める前でも申し込める。ゴールドも初年度は無料。
公式サイトで見るカードには審査があります。会社を辞めて独立する人は、在職中に申し込むことも検討しましょう(「届け出る」マスのコツ4)。
会計ソフト:65万円控除に必要なe-Taxに対応しているか
青色申告で最大の65万円控除を受けるには、複式簿記で帳簿をつけ、貸借対照表と損益計算書を添えて期限内に申告したうえで、e-Taxで提出する(または優良な電子帳簿保存をする)必要があります。条件を満たさないと55万円や10万円になります。下の3つはどれもe-Taxに対応しているので、まずは無料期間で使い心地を試して選ぶのがおすすめです。
- 料金:年払いのほうが安いことが多い
- 無料で試せる期間:実際に入力してみて、続けられそうか確かめる
- インボイス:登録する人は、消費税の申告ができるプランか確認
PR個人事業主向けのクラウド会計ソフト(順不同)
freee会計(個人)
- いちばん安いプラン
- スターター 年11,760円(税抜)/月払い1,780円(税抜)
- 無料で試せる
- 30日間(カード登録なし)
- e-Tax(65万円控除)
- 全プラン対応
- 銀行・カード連携
- あり
- インボイスの消費税申告
- スタンダード(年23,760円・税抜)から
全プランで請求書がつくれる。カード登録なしで30日間試せる。
公式サイトで見るマネーフォワード クラウド確定申告
- いちばん安いプラン
- パーソナルミニ 年10,800円(税抜)/月払い1,280円(税抜)
- 無料で試せる
- 1か月(自動で有料にならない)
- e-Tax(65万円控除)
- 全プラン対応
- 銀行・カード連携
- あり
- インボイスの消費税申告
- パーソナル(年15,360円・税抜)から
連携できるサービスは2,300以上(公式発表)。明細の自動取り込みを重視する人に。
公式サイトで見るやよいの青色申告 オンライン
- いちばん安いプラン
- セルフ 初年度無料、2年目から年11,800円(税抜)
- 無料で試せる
- 初年度無料(2027年3月15日までの申込)
- e-Tax(65万円控除)
- 対応
- 銀行・カード連携
- あり
- インボイス
- 対応
初年度無料で1年まるごと使える。白色申告なら無料プランもあり。
公式サイトで見る⚠️ マネーフォワード クラウド確定申告は、2026年12月1日から料金が変わります(パーソナルミニの月払い1,680円、パーソナルの年払い22,560円など。いずれも税抜)。
税金と保険料のお金は、先によけておく
会社員と違って、税金や保険料は給料から自動で引かれません。特に住民税と国民健康保険料は前の年の所得をもとに決まるので、開業した翌年にまとめて請求が来て驚く人が多いです。
あわせて、仕事が少ない月があっても困らないように、生活費の数か月分を手元に用意しておくと安心です。いくらよけておけばいいかは所得によって変わるので、会計ソフトの試算や、市区町村の保険料の目安を参考にしましょう。
開業資金が必要なら:まず公的な融資を調べる
お店の内装や機材などで、まとまった開業資金が必要な人もいます。国の金融機関である日本政策金融公庫には、開業する人向けの融資があります。
新たに事業を始める人や、開業後おおむね7年以内の人が対象。融資限度額は7,200万円。返済期間は設備資金20年以内、運転資金10年以内(どちらも据置期間5年以内を含む)。審査があります。
ほかにも、都道府県や市区町村が金融機関と組んだ「制度融資」がある地域もあります。お住まいの自治体や商工会議所・商工会で聞いてみましょう。借りたお金は事業がうまくいかなくても返す必要があるので、返せる計画を立ててから申し込みます。
このマスのまとめ
- 生活と仕事のお金を分ける。これがいちばん大事
- 口座・カード・会計ソフトの3点セットをそろえる
- 屋号を名義に入れたいなら、屋号つき口座をつくれる銀行を選ぶ
- 会計ソフトはe-Tax対応が必須。無料期間で試して選ぶ
- 住民税と国保は翌年に来る。売上の一部を先によけておく
- 開業資金を借りるなら、日本政策金融公庫や自治体の制度融資から調べる